ファンと送風機、ブロアにおける単語の選定と仕様の選定基準
工場で使われている風を送る機器といえば、ファンやブロア、送風機などの様々な呼び方があります。
『ファン』・『ブロア』・『送風機』の用語は、JIS(日本工業規格)で決められており、
ファン・送風機は英語では”FAN”と表記され、単位質量当たりのエネルギーが 25 kNm/kg(kJ/kg)未満のもの。
ブロワは英語では”blower”と表記し、圧縮機のうち、有効吐出し圧力が 200 kPa 以下のものと定義されています。
しかし、工場の現場では上記ほど厳密に区別されているわけではなく、
吐出圧力がそれほど強くないものを『ファン』と呼び、
吐出圧力が強いものを『ブロア』や『ブロワ』と呼んでいます。
※ 『ブロア』と『ブロワ』の呼び方の違いは、英語を日本語にしたときの変化になります。
そして、『ファン』や『ブロア』をおおよそにまとめたものを『送風機』と表現することが多くなっています。
送風機の代表的な種類と特徴があります。
『遠心式』は、カタツムリのような形状をした筐体の中で集めた風を吐出口方向に送るります。
高圧力で少風量が特徴のターボファンや、低圧力で大風量が特徴のシロッコファンがその代表です。
『軸流式』では、ダクトの内部に設置可能で、後ろから前に風を送ることができます。
低圧力で大風量が特徴の軸流ファンがその代表です。
設計の現場では、これら種類と特徴によって装置に組み込む送風機をある程度想定でいます。
ただ、送風機の本来の目的はその名のとおり、風を送ることになり、
その主要な選定項目は”風量”と”静力”から判断することになります。
設計者は、装置に必要な風量と静圧を把握して、それを満たすファンなりブロアを選定することになります。
風量と静圧をあらわす表として、縦軸に静圧をとり、横軸に風量をとった性能曲線図がよく用いられます。
普段使用されない方は多少見ることが難しいかもしれませんが、ファンやブロアの性能を現す表として一般的です。
ただ、実際にファンやブロアを選定するとなると、
吸込み側と吐出し口のフードの形状やダクトの長さも計算する必要があります。
これらを加味した計算式はとても複雑であり、
設計者の方は、いざ選定するとなった際にはメーカーに依頼することが一番楽ではないでしょうか?
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