騒音対策
ファン・ブロア・送風機の騒音の原因
一般的にファン・ブロア・送風機は大きなモーターを取り付けファンを回すので騒音が発生します。ファン・ブロア・送風機から発生する騒音は、風量と全圧によりほほ決まるので、ターボファンやターボブロアなどは騒音が大きくなる傾向にあります。ファン・ブロア・送風機を使用する工場が民家から離れているなど周辺環境に影響のない場合はそれほどシビアに管理する必要はありませんが、それ以外の場合はある一定の基準以下に抑えるようにしなければ、周辺の民家からの苦情、あるいは工場内での作業の妨げになったりします。 ファン・ブロア・送風機の騒音の原因としては下記が挙げられます。
- ①羽根車とケーシング舌部との干渉による回転音。
- ②羽根流路とケーシング内部の乱れによる渦流音。
- ③羽根のアンバランスによる異音の発生。
- ④軸受け部異常による異音の発生。
ファン・ブロア・送風機の騒音の対策
上記のような騒音の原因に対して行うことができる、ファン・ブロア・送風機の騒音対策としては、下記を挙げることができます。
- ①騒音を外部に流出させないための、防音カバーを設置する。
- ②サイレンサー(消音器)を設置する。
- ③羽根のアンバランスから生じる騒音であれば、羽根車のバランス調整(芯出し)を行う。
- ④ファン・ブロア・送風機の配置を変更する。
- ⑤ファン・ブロア・送風機のケーシングに遮音を施行する。
ファン・ブロア・送風機の騒音は、風量と全圧によってほぼ決められるので、騒音レベルを下げたい場合は、そもそもの騒音源を①②によって遮断する、という方法を取ることが一般的です。なお、防音カバーは、金属製の箱で覆うとい方法を取りますが、この箱を金属の板のみとするか、内側に防音・吸音材を貼り付けるか否かで騒音レベルが大きく変わってきます。
また、羽根のアンバランスや軸受け部の異常などによっても騒音は発生するので、これらをメンテナンスすることによって騒音レベルを下げることができます。なお、③については、騒音のほかにも振動や発熱といった症状が発生しますので、これらと合わせて日常点検を行うことが求められます。
なお、ファン・ブロア・送風機を新規に設置するケースにおいて、使用される環境において騒音レベルの規定値がある場合は、その規定値をクリアするように設計・開発段階から織り込むことである程度対策を取ることが可能です。一般的な対策としては、ケーシング舌部と羽根先端のすき間を大きくしたり、騒音の小さいファン・ブロア・送風機を選定したり、または、吸音口をベルマウス状に変更する、あるいはケーシングを吸音構造にするなどがあります。昨今は流体力学の研究が進み、従来の製品と同じモーターの出力でもより高効率な、騒音レベルの小さいファン・ブロア・送風機を設計することが可能となっています。
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